プロフィール
染谷 瑛二
千葉県出身。2017年に京都大学総合人間学部に入学し、2020年にイスラエル企業にて現地スタートアップのリサーチ業務に従事。その後、在学中に起業するも経営をストップ。現在は株式会社GeNieeeで広告運用を担当。
京大休学、スタートアップ起業
ーー起業の経緯を教えてください!
2017年に、京都大学の総合人間学部に入学。
脳と機械を繋ぐ「ブレインマシンインターフェース」に興味があり、その研究をするために京大に入学しました。
研究をする中で、研究以上に「研究を事業化すること」に興味が湧き、4回生の時に大学を休学して、イスラエルの企業で現地スタートアップのリサーチ業務を始めました。並行して就活もしていたんですが、スタートアップの世界に惹かれ、内定を辞退して起業しました。
アイデアもないくせに「デカい会社を作るぞ!」と意気込んで起業したんですが、右も左もわからなかったので、借金をしてシリコンバレーに行きました。研究者になりたかった時から一貫して、「世界史に残るような、人類にとって大きな影響を与えること」に興味があって、シリコンバレーに行けばそういうことができるかなって(笑)
当時流行っていた”web3″領域で事業を作り、エクイティ調達の準備も進めていたんですが、色々あって会社を畳みました。
試行回数を増やすために、堅実なビジネスから始めるべきと判断
ーー経営をストップした理由を教えてください。
一旦、お金を稼ぐことに振り切った方がいいと判断したからです。
起業当初は(今も根本は変わっていませんが)、目先の利益のことは考えず「ホームランを打つこと」だけを考えていました。同じような思想を持ったスタートアップの多くは、創業初期に株式による資金調達をし、それを元手に事業を作っています。起業当初は、そのような形で事業を進めようと考えていましたが、途中で考えが変わりました。
外部の投資家から資金を調達すると、すぐにチャレンジができるというメリットがある一方で、試行回数には限りができてしまいます。「99回空振りしてもいいから、1本特大ホームランを打つ」ことを考えた時、初期に外部資本を入れてすぐに2~3回の打席に立つ機会を得るより、3年程度自己資金を貯めて、100回打席に立てる準備をする方が合理的と考え、スタートアップの道を一旦中断しました。
綺麗事を言わず、愚直に市場に向き合わなければ売上は立たない
ーー会社経営を通じて、自分に足りないと感じたのはどのような点でしたか?
「ユーザー視点」です。起業当時の自分は特にビジョンに縛られすぎており、ユーザーやマーケットに向き合えていませんでした。今振り返ると、仮に事業を続けていたとしても成功しなかっただろうなと思います。
確かに、ある程度(現実に縛られずに)理想を追うのも大切ですが「一度マーケットに愚直に向き合う経験をして、ある程度の資金を貯めるべきだ」と考え始めたとき、Web広告業界を知りました。
ーー会社経営後、どのようにWeb広告運営スキルを身に付けたのでしょうか?
「とにかくお金を稼ぎたい。死ぬ気で働くんで採用してください」と業界で有名な方にX(旧Twitter)でDMを送り、5分後に面接が始まって、そのまま採用が決まりました。その晩の夜行バスで東京に行き、毎日20時間ぐらい働く生活を1ヶ月ほど続け、広告運用の基本的な考え方を身につけました。
そろそろ独立しようかなと考えていた時に、中学時代の友人からの紹介でGeNieeeを知りました。
自分の「運用力」 × GeNieeeの「クリエイティブ力」= 100億円企業
ーーGeNieeeに入社を決めた理由を教えてください。
僕は、データ分析を基盤とした「広告運用」に強みがあり、強いクリエイティブがあれば、その能力を誰よりも発揮できる自信がありました。
一方でGeNieeeは、クリエイティブ力は国内トップレベルであるものの、運用がボトルネックとなっており、本来の力を発揮できていない状態でした。
初めはYouTube広告事業のみを行う副業という形でジョインしましたが、全媒体の運用の体制を整え、京大の同期や後輩たちを採用して組織を拡大すれば「3年後には売上100億円を越えられる」と確信し、途中から経営メンバーとしてフルコミットさせていただくことになりました。
現在は、広告運用を担当しつつ、より広いテクニカルマーケティング全般や、海外事業にもチャレンジを始めています。
ーーWeb広告業界の魅力を教えてください。
常に市場と向き合え、利益を出すことだけに集中できるのがこの業界や弊社の魅力です。
「誰がいくら利益・損失を出したのか」が常に数字としてあらわれるため、上司からの主観的評価に気を取られることなく、純粋に成果を出すことだけに集中できます。
事業をスケールさせるには「視座と根性」が重要
ーー起業に失敗したからこそわかる、事業をスケールさせるために必要な要素を教えてください。
まず大前提として「マーケット選定」が最も重要だと思います。どんなに優秀なメンバーを集めても、どんなに努力しても、解くべき問題を間違えたら、スケールには限界があります。
その上で「視座」と「根性」が大事だと考えています。
当然ですが、100億円企業を目指さなければ100億円企業にはなれないですし、世界一を目指さなければ世界一にはなれません。歴代新記録を出すと、どうしてもその結果に満足してしまいます。常に現状に満足せず「今より10倍・100倍成長するためにはどうするべきか?」と自問自答し続けることを意識しています。
また、根性の観点では、目標に向けてひたむきに仕事に向き合う大切さを痛感しています。自分もそうでしたが、東大や京大出身の人は、量のフェーズを飛ばして初めから正解を見つけようとしてしまいがちです。
しかしながら起業に失敗した経験から、ビジネスで勝つには泥臭く試行錯誤をすることが重要だと痛感しました。売上をあげる方法に近道はありません。
根性論のようですが、事業をスケールさせる上で最低限必須のマインドです。数字にこだわって泥臭く努力できているからこそ、GeNieeeは急成長していると思っています。
2~3年後には、確実に年商100億円に届く
ーー染谷さんには、GeNieeeのどんな未来が見えましたか?
2~3年後には、確実に年商100億円に届くと思っています。なので、人数を増員し、新しく入社してくれた従業員さんたちに1人で案件を回してもらおうと考えているんです。優秀な人材に裁量のある仕事を行ってもらえたら、絶対に狙える数字ですね。
また、海外展開も目指しており、より大きな市場で戦える点で急成長を見込んでいます。弊社には英語を話せるメンバーが多く在籍しているので、ガンガン攻めていきたいですね。このような事業展開を、京都という落ち着いた街で目指せるのは個人的にかなり魅力を感じます。
データを元に、勝算がある分野で着実に事業展開する
ーーGeNieeeの風土や特徴を教えてください。
GeNieeeは、実直に石橋を叩いて事業を作るスタイル。堅実に儲かる分野で事業をしています。「世界にない、完全に新しいものを提供する点」に面白さを感じる人も多いと思いますが、ユーザー視点を忘れずに、実直にビジネスを行うことが最も重要なんです。
先ほど海外展開についてもお話ししましたが、展開先としてはデータを元にした上で「着実に収益が出る国」を考えています。弊社は「どこで事業をしたいのか」ではなく、「やるべき場所で事業展開すること」を重要視しています。Webマーケティングには、膨大なリサーチをする泥臭さが必要で、この先に勝算があるんです。
また、弊社はどんなに売上が上がったとしても、意味なく大金を使ったり、派手な遊びをしたりすることはありません。なぜなら、弊社の従業員は「必ず会社をスケールさせる」という高い視座を持っているから。僕たちは本気で100億や1000億を達成しようと考えているため、目先の楽しさに飛びつくよりも、着実に成果を出すことに喜びを感じるんです。
常に“初心者”の意識を持ち、結果を素直に受け止める泥臭さが必要
ーーWebマーケティングを行う際、大切にしているマインドはありますか?
岡本太郎の書籍である『自分の中に毒を持て』の冒頭に《人生は積み重ねだと誰でも思っているようだ。ぼくは逆に、積み減らすべきだと思う。》という言葉があります。Webマーケティングをするうえで、僕はこの考えが非常に大切だと思っています。
どんなに経験が長いプレイヤーでも、実際にクリエイティブを回して売れなかった場合、すぐに負けを認める姿勢が大事です。Web業界は流れが早いので、一度見つけた勝ちパターンにこだわると成長が止まってしまうでしょう。
そのため大御所プレイヤーでも、常に初心者のように取り組む方のほうが成果を出していると思います。「必ずいける」と思っても、100%正解が出せるわけではないので。失敗したらすぐに反省し、改善することが大切です。
自分の活躍を実感したい方は、成果が明確に分かる仕事が向いている
ーー自分の活躍を実感したい方へのアドバイスはありますか?
「イーロン・マスクみたいになりたい」とか「世界を変えたい」と思う方は、中途半端に国内にとどまるのではなく、最初から世界を相手に勝負して欲しいと思います。
今の自分に「世界を変えるだけの力がない」と感じている方は、まずは愚直にビジネスをしてほしいですね。
僕もイスラエルの企業でインターンをした際、自分の成果が見えず、それゆえに肩書きにばかり気を取られることもありました。自分が生み出している価値や成長を実感できず、「有名企業で働いているけど、結局何をしているんだろう?」と疑問を感じてしまったんです。
自分の活躍を実感するためには、成果が明確に分かる仕事をする必要があると考えています。特にWeb業界はPDCAのサイクルが早く、なおかつ明確な数字として成果を実感できるんです。その点で非常にやりがいと活躍の実感を得られるでしょう。
ーーWeb業界ならではの魅力を教えてください。
Web業界は他の業界と違って、マーケットとダイレクトに向き合えるのが魅力です。他の業種は、まずは初めは自分のアイディアをいかに上司に認めてもらうかが肝になるでしょう。そのため、自分のアイディアを直接試せる機会が必然的に少なくなるんです。
しかしWeb業界では、上司に「それは無理だ」と言われたとしても、実際に試してみて当たったら、「自分が正しかった」と証明できます。
一方で結果が出なかった場合、原因が100%自分にあるため、上司が悪いという言い訳は一切通用しないのです。
「これは絶対に当たります」と頑固に進めて、結果を出せなかった際にしっかり反省できる姿勢が結果に繋がると思っています。頑固な人ほど素直にならざるを得ない瞬間があり、非常に面白い仕事です。
GeNieeeは売上が伸びているだけでなく、人と話すのが苦手な私でも素でいられる
ーーGeNieeeの魅力を教えてください。
売上が非常に伸びている点と、会社の雰囲気が良い点です。僕自身、必要以上に人と話すのがあまり好きではなく、GeNieeeに入社する際は「週に1回3時間だけ出社し、あとはリモートで働きます」と伝えました。しかし、入社してみると、ほぼ毎日出社していることに気が付きました。
それは、会社の風土や従業員の雰囲気が自分に合っているからだと思います。結果にこだわり努力している点では体育会系気質だと感じる一方、雰囲気は全然ピリピリしてないんですよね。
いわば草食系と体育会系が融合したような、穏やかな雰囲気。どちらの気質を持っている人が多いため、裁量を持って確実に成果を出したい方には向いているでしょう。野望・情熱を内に秘めて、淡々と努力しているようなメンバーが多いですね。
また、話しやすい従業員が多いからこそ、会社の飲み会も楽しいです。以前の私は「仕事は仕事」として割り切りたいと思ってるタイプでした。しかし、GeNieeeに入社して初めて、仕事とプライベートが融合する感覚を味わえたんです。
GeNieeeは良くも悪くも結果が全ての会社であり、個々人が責任と裁量を持って働けているからでしょうか。いつでも素の自分でいられますし、頑張ってるふりをする必要が一切ない。それがGeNieeeのいいところです。
求める人材は「誠実な人」と「熱中できる人」
ーーどんな方と一緒に働きたいですか?
「誠実な人」と「熱狂できる人」はGeNieeeの風土に合っていますし、ぜひ一緒に働きたいと考えています。
具体的には、「嘘をつかない」とか「約束を守る」とか、そんな単純なことですが、弊社は誠実さをとても重視しています。僕も寝坊してしまうこともありますが、「電車が混んでいたので」と嘘をつくのではなく、「寝坊しました、すいません」と素直に伝えています。そのくらい、誠実な方と働きたいですね。
熱狂的という観点では、「就活のために必要だから」という感覚でインターンに参加するのではなく、会社を大きくすることに魅力を感じられる方だと嬉しいです。インターンでは週30~40時間ぐらいの稼働が求められます。目標に対して泥臭く努力できる方や、「いずれグループ会社を立ち上げる!」くらいのパッションがある方と一緒に働きたいですね。